想像していただきたい。
私ならその重圧のせいで精神が崩壊してしまいそうだ。それほど巨大な組織でありとんでもない資産を抱えている会社だからだ。
日本人なら知らない人はいない「トヨタ」という企業。もし、世界ビジネスオリンピックなるものがあるとしたら間違いなく「日本代表」の筆頭に挙げられる企業である。
2015年現在、トヨタの総資産は47兆円以上。日本の国家予算(一般会計)が約100兆円だとすると、半分近くの資産を持っていることになる。もちろん、トヨタの総資産と一口に言っても流動資産、固定資産、繰延資産と計上されている項目が様々あるため、全て現金で持っているわけではないことはご周知のとおりだ。
そのトヨタの事業といえば一番に頭に浮かぶのは「車」だろう。カローラ、クラウン、プリウスと次々とヒット車を生み出し世界中に販売している。しかしその「車」をトヨタがどのように作り、そして販売しているか以外と知らない人も多いのではないだろうか。
「トヨタの車はトヨタが作っているんでしょ?」もちろん正解だが、多くのトヨタグループ会社と呼ばれる子会社や連結子会社の連携・協力があってはじめて、消費者に車が届くのだ。
車の部品は部品専門の会社が作っている。
「部品工場」などと聞くと町工場のイメージがを浮かべてしまいがちだが、トヨタのそれは桁違いの規模だ。年間1000万台以上を販売しているトヨタだけに当たり前なのかもしれないが、その凄さをあえて噛み締めたい。
例えば、以前、私が訪問したことのあるステアリングやベアリングを製造している「ジェイテクト」の工場の敷地は巨大だ。もちろん工場が大きければ立派というわけではないが、それら部品だけで東証1部に上場している。
また、エンジンなどを製造している豊田自動織機も同じく上場している。社員数も50000名以上と「子会社」と一口で言うがとんでもない規模である。トヨタの支配下にあるためもちろん子会社には変わりないのだが、1社だけでも相当な力を持っている。
世界中にトヨタ車を販売する豊田通商
トヨタの車を世界中に販売する役割を果たしているのが「豊田通商」だ。世界175カ国へトヨタブランドを拡販している。
豊田通商は総合商社として国内6位の売り上げを誇っており、取り扱っている商品は車だけでない。金属・食料・保険・エネルギー関連まで非常に幅広い。やはり、豊田通商も一部上場の巨大企業だ。
トヨタという巨大企業に対して、ものすごく素朴な疑問
まあ、なんとなく「トヨタってすごいね。」は伝わったかと思う。これ以上、経済新聞のような話題を長々とするつもりはないし、そもそも難しい話はあまり好きではない。
そこで、素朴な疑問を最後に残しておきたい。
トヨタが発表している「仕入先企業数」は1万3000社もあるという。小さなネジやバネ、塗装に使う塗料やシートの皮も別々に仕入れなくてはいけないのだろう。
でもまさか、社長が全ての仕入れの指示をしている訳でもなければ、仕入れ値の値引き交渉をしているわけでもないだろう。
また、直接お客さんに営業するわけでもないし、そろばん弾いているわけでもないだろう。しかもこれだけ利益が出ている企業となると資金繰りの仕事すら必要ないように思える。そうなると、社長の仕事ってなんなんだろう?
「トヨタイメージキャラクター?」「豊田家代々の定め?」「VIPが集まる晩餐会でトップセールス?」私のような凡人にはまったく想像もできない。
念のため言っておくが、妬み嫉みではない。純粋にどういうことをされているんだろうという疑問だ。そして、私はトヨタ車を乗っているファンの一人だ。