先日、旧友と軽井沢にドライブに行ってきた。
最近、仕事ばかりをしているため少年の心を取り戻すためにたまに小旅行を挟むのだ。もちろん日帰りだが・・・。
男二人で軽井沢・・・少々気持ち悪い感じもするが、意外とこれが自由な感じで面白い。
そもそも軽井沢に行こうと決めて行ったわけではなく、関越道を適当に走っていて「左方向は軽井沢」という標識を見たので「軽井沢行っちゃおうか。」となったのである。
軽井沢は数回行ったことがあるが「別荘地」のイメージが強く、「お金持ちの人がセレブなひとときを過ごす場所でしょ?」といった、少々ひがみ心も含んだなんとなく近寄り難い場所でもあった。
なので、その数回はアウトレットと温泉くらいだ。ちゃんと観光はしていない。
ということで、今回は男二人なのでなんの見栄も張らず、かっこつけずに軽井沢が観光できそうだ。
軽井沢商店街
まずは軽井沢のメインストリート「軽井沢銀座商店街」に到着。
入り口に「諏訪神社はこちら」と看板が立っていたので「参拝でもしていこう」となったのだ。ちなみに諏訪神社はその軽井沢銀座商店街を抜けたところにある。
軽井沢銀座商店街(以下、商店街)は西洋風のおしゃれな建物が両サイドに並んでいる。スイーツやジャム、陶器や絵画を売っているギャラリーまである。
しばらく歩いていくと右手に「軽井沢基督教団軽井沢教会」という建物が。そこに社会科見学でやってきている小学生が6、7人楽しそうに入っていく。
その小学生につられて我々も中へ。
すると、教会についての歴史などを教えてくれるスタッフの方が。スタッフと呼んでいいかは定かではないが多分信者の方だと思う。
中に入ると数枚の外国人の写真とその歴史などについて書かれたものが壁に貼ってある。それに目を通しているとスタッフの方が解説をしてくれた。
それによると、軽井沢という場所は「アレキサンダー・クロフト・ショー」という人物によって造られたという。
アレキサンダー・クロフト・ショーさんは元々、宣教師であるが、あの福沢諭吉とともに慶応義塾大学を創設した人物でもある。後に英国大使館専属の牧師となっている。
そのショーさんがリウマチを患い、健康のために東京からわざわざ軽井沢まで歩いて来た。そして、初めて訪れた軽井沢のその素晴らしい景色や過ごしやすい気温などに惚れこんだということだ。
そして、東京に帰り軽井沢の素晴らしさを家族や友人に伝えたことにより、後に英国文化が根付くおしゃれな避暑地として変わっていったという。
だから、軽井沢には教会が多いのだ。
軽井沢ユニオンチャーチ
「軽井沢基督教団軽井沢教会」を離れ、諏訪神社に向かう途中あのあまりに有名なテニスコートがある。日本のプリンスとプリンセスが出会った場所だ。その日はポルシェ主催の大会が行われていたようだ。
そのテニスコートの向かい側にまた教会がある。「軽井沢ユニオンチャーチ」だ。
そこにも小学生がたくさん集まっており、アメリカ人っぽい青年から資料を受け取っている。
すでに先ほどのショーさんの話で軽井沢とキリスト教のつながりに興味を持ち始めている私たちは、また教会の中へ。
すると教壇の前に椅子が綺麗に並べられ、その椅子の上になにやら本が置かれている。
「HYMNS」と書かれている。その本を開くと・・・楽譜だ。もしかしてこれが・・・と思っていいたその時。
「いっしょにうたいましょー。」
と片言の日本語が。
いやいや、それはちょっと恥ずかしい・・・。と思いつつも小学生もたくさん集まってきているし、断りにくい・・・。まぁ、でも貴重な体験でもある・・・。
そこでその謎の本「HYMNS」を開くように言われた。これがいわゆる賛美歌のことなのだ。
そして、歌った賛美歌は「アメイジング・グレイス」だ。
歌っている時は全て英語だったので詩の意味はわからなかったが、歌い終わってからその詩の内容について教えてくれた。
ジョン・ニュートン氏による作詞だ。ジョンは若い頃、奴隷を運ぶ舟を働いていた。奴隷たちは狭い部屋に閉じ込められ、航海中にストレスや病気などでたくさんの命が奪われたそうだ。
ジョンは若い頃はそのような奴隷への扱いを普通のことだと考えていたが、後にジョン自身が航海中、命の危機に面したのだ。嵐が起き、舟が転覆しそうになったのだ。
その時、神に必死に命乞いをした。すると、嵐はやみ一命を取り留めたという。その日を境にジョンは神に対する信仰心を持つようになり、神の力を信じる人生になる。
この時に感じた「神の偉大さ」を唄ったのが、このアメイジンググレイスということだ。
同時に奴隷制度に対して疑問を持つようになり、後に奴隷反対運動にも関わるようになっていったという。
まとめ
軽井沢とキリスト教。
この二つの関わりを全く知らなかった無知な私だが、今回の小旅行は非常に勉強になった。
キリスト教がなければ今の避暑地軽井沢は存在しなかったのかもしれない。
この日、他の場所も訪れているのだが、長くなりそうなのでまずはここまで。まだまだ軽井沢には魅力がたくさんあった。続きは別の機会にて。